ツンデレくんを呼んでみた。
「中出は、どうなの?」

「は?」

「あたしは中出には何されてもいいけど、中出はどう思ってるの?」

「……答えなきゃだめ?」

「可愛く聞いても無駄」


わずかに首を傾げた中出を可愛いと思ってしまった。


中出は目を逸らしてしばらく黙っていた。言おうとしているのか、言おうか迷っているのか、そもそも言う気がないのか、その表情から読み取ることは至難の業だ。


しばらくして、中出があたしを見た。


「考えないわけじゃない」


その声はなぜかいつもより低く重かった。


「……まあ、普通の奴よりは性欲とかはないと思うけど」

「だと思いました」


あたしと一緒に寝ても手を出しませんからね。わかってましたよそれくらい。


「でも、それなりに知識は持ってるし、そういうことを考えないわけじゃないから」

「一つ聞いてもいい?」

「何」

「中出は男が好きなの?」

「はあ?」


中出が顔をしかめてあたしを蔑むような目で見てきた。


「中出、それは同性愛者に失礼だよ」

「じゃあ、なんで奈子と付き合ってると思ってるん」

「男が好きってのを隠すためのカムフラージュ的な?」

「そんなめんどいことせんわ。俺は好きじゃなきゃ付き合わねえよ」

「よかった」


へへっと笑みがこぼれてきて、あたしは中出に抱き着いた。


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