ツンデレくんを呼んでみた。
目が合った中出の瞳が、獲物を捕らえる獣のように見えた。


それに見とれているうちに中出の唇が胸元に降りて、やがて突起に口づけられた。


「ぁ、んっ!」


途端に体の奥が痺れるように熱くなった。


胸をゆっくり吸われて、舌が這う。


出すつもりもないのに声が勝手に漏れる。


「ぁっ、な、か…………っ」


思わず中出の腕を掴んでいた。


何かに縋っていないと、生まれる熱に無条件に溺れてしまいそうで怖かった。


体の奥底がジン、と疼くことがなぜか怖かった。


「んんっ……ぅ、ぁっ…………」


でも、やめてほしいとは思わなかった。


その時、突然山崎に襲われたのを思い出した。


覆いかぶさって、キスをされた、あの日。


胸を弄られて、強く吸われた。


あたしは否応なく感じてしまった。


あの、惨めな自分の姿が蘇る。


こんなはしたないあたしなんて、見せられない。


「ぅ…………ん、ゃ……」


口を腕で押さえても声は漏れる。


嫌だ。中出に見られたくない。


知らず知らずに涙が滲んでいた。


今目の前にいるのは中出なのに、他の男のことを考えてしまう自分を殴りたくなった。


やっぱりあたしは軽い女だ。


どんな人でもそんなことをされたら感じてしまうのだ。


嫌なのに。あたしは中出だけでいいのに。


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