籠の中のプリンセス ~呪われた指輪と麗しの薬師~
「あなたはわたしと同じね」
そう言いながらティアナの手を握りしめ、悲しそうな表情を浮かべる。
エリアルは、ティアナの記憶よりも随分やつれてしまっていた。
出会ったときから何年も経ったとはいえ昔はこんなに細い腕をしていなかった。
これほど青白い顔をしていなかった。
病になったとは聞いていたけれど、あまりの変わりように胸が痛む。
「自分と同じ力を持つ子を見つけて、ついあの人にあなたのことを話してしまった。それがいけなかったんだわ」
彼女の小さな声も、広い静かな部屋によく響く。
外の喧騒は部屋の中に全く届いておらず、ここだけ別世界のように穏やかな空気が部屋中を包み込んでいる。
呟くように話すエリアルに、ティアナは首を傾げた。
「エリアル……前に会ったときもエリアルとわたしは同じだって、そう言ってたけど、どういうことなの?」
ティアナの質問に、エリアルはただ寂しそうな微笑みだけを返す。
「わたしがあの人のそばにいたくて、今少し今少しと先送りしていたばかりに……」
エリアルが咳き込み、マルセルが慌てて駆け寄ったが彼女は首を横に振ってマルセルを遠ざけた。
「王妃様……」
エリアルは再びティアナの手をとり、今度は両手で強く握りしめた。
「ねえお願い。あなたの力を貸してほしいの」
「わたしの力……?」