あたしと寮と狼先輩。







「俺が何で怒ってるのかわからない、って顔してるよ、凛ちゃん。」



あたしのほっぺをツンツンとつついてくる楓先輩。

…くすぐったい。







『わかんないですもん………』


下を向いて小さな声で言った。

だってだってだって…
わからないものはわからないですよ…



桐原先輩がいなくなったこの部屋には、あたしと楓先輩の2人しかいなくて。

さっきまでとは違う空気が流れている気がした。







「…凛ちゃんってお馬鹿さん?」



クスッと笑いながら言う楓先輩。


…あたしってそんなに馬鹿なの?

この高校にきてからすごく言われるようになった気がするんだけど。




「俺はさ」


そう言いながらあたしの手を取り、先輩の前まで持ってきた。





『せんぱ………』
「好きなんだよ、凛ちゃんのこと」



チュッ------



そのままあたしの手の甲にキスをした。



それはまるで漫画に出てくる王子様のようで。










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