あたしと寮と狼先輩。
『あ、あのぉー…』
声を掛けてみると、チラッとあたしの方を見てくれた。
…けど、すぐに目を逸らされた。
ううう………
どうして逸らすんですか………
藤間先輩は何を考えてるのかが本当にわからない人で。
照れ屋さんなのか、クールなのか、めんどくさがりなのか。
いまだによくわからない。
「……………ねぇ」
『…………へ?』
さっきまで何も反応してくれなかった先輩が、突然話しかけてきた。
ちょ、うわ、どうしよう…!
嬉しくてにやけてしまいそうだ。
『先輩…?』
「…………………」
だけどやっぱり無言な先輩。
『あの、左腕…大丈夫ですか?』
せっかく先輩に話しかけてもらったけど、部屋に入ってきたときからずーーっと気になってたことを聞いてしまった。
さっきから左手首をかばうようにして持ってるから、怪我してるんだろうなって思って。
「多分捻挫………」
あたしの逆側に座っていた先輩は突然立ち上がり、何故かあたしの隣に座った。
な、な、な、なんで隣座ったの?!