あたしと寮と狼先輩。






『何でそのこと知って………』



「…さっき会ったとき。外で雷落ちてお前びっくりしてたじゃねえか」




そんなとこまで見ててくれたんだ…

なんか、すごく嬉しい。


それと同時に今ものすごく胸がドキドキしてる。
けど、嫌なドキドキじゃない…


グレーな空のせいで部屋は暗いままだけど、さっきよりも安心している自分がいた。





『わざわざありがとうございます…
桐原先輩って、優しい方なんですね』



「はぁ?んなわけねーだろ、勘違いすんなよチビ。俺はただ暇つぶしで来ただけで…」



頭をぽりぽりとかきながら言う桐原先輩は、なんだか照れてるみたいだった。


ふふっ…と思わず笑ってしまう。




「ちょ、何笑ってんだよ!はあ…俺部屋戻るからな」


先輩がそう言ったときだった。





ゴロゴロゴロ………ピカッ----


一番大きな雷が鳴った。





あたしは咄嗟に先輩の服を掴んでしまった。






「お、おい…?」


戸惑っている先輩。

少し強い力で服をぎゅっと掴む。





『い、いかないで………くださ…ぃ』



そう言った声は震えていて。
相手に聞こえるかどうかもわからないくらい小さかった。

でも、今の2人の距離なら十分に聞こえる大きさだった。













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