あたしと寮と狼先輩。





「お前はもっと人を頼りやがれ」


そう言うと、突然あたしの肩に手を回してきた先輩。




『せ、先輩…?!』


これはダメだって…

あたしと先輩は完全に密着していて、さっきより心臓がドキドキいってる。





「怖いなら怖いって言えばいいじゃねえか。俺以外にも頼れるやつはいるんだからよお。

…まあ、そいつらには触らせないけど」



チラッとあたしを見た桐原先輩は、フッと口角を上げた。

初めて笑った顔見たかも………



先輩の言葉でさっきまでの恐怖心が少しずつ消えていってる。

怖いよりドキドキが勝ってて。
それがなんだか心地良くて。
先輩の腕の中が安心する………


ただ、最後の一言だけが良く聞こえなかった。

『最後、何て言いましたか?雨の音で聞こえなかったです…』



「いや、なんでもねえ。

とりあえず今日は一緒にいてやるから。もうびびんなくていい。」



ぽんぽんっと頭を撫でられたまま、ゆっくりと抱きしめられた。


なんで今日の先輩はこんなに優しいんだろうか…


いつもなら抵抗するあたしも、今はなんだかふわふわしてて受け入れてしまった。
















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