*ビビッドDAYS!*
「志摩、それ、俺にもくれよ」
「イヤでござる」
「なんだとぉぉ?」
「自分は人の食べ物を断れないぐらいの物欲しそうな顔で見るくせにねえ」
復活したアキちゃんがボソリと言い、わたしは密かに「それか」と、納得してしまった。
「うじ君にも物欲しそうな顔しちゃったんだ……」
「あ? 志摩、それユウレイのやつにもらったのか?」
「ユウレイじゃなくてうじ君」
「なんだよ、欲しいなら俺が買ってやったのに。お前が俺の物になるという条件付きで」
「いらないでごんす」
わたしと信号機のやりとりを眺めながら、アキちゃんがふと言葉を漏らした。