月夜の桜
そして、大樹さんとショッピングの日。
いつぶりなのかな。元彼以外の男性と買い物なんて。
待ち合わせ場所に着くと、もう大樹さんが待っていた。

静香「ごめん大樹さん、遅かったかな?」

大樹「全然だよ!俺が来るの早すぎたかなってくらい」

静香「よかった。大樹さんって優しいんですね。」

大樹「そんなことないよ。これが俺の性格だからね。」

静香「もう、大樹さんったら(笑)」

この時の私の心は、何故か穏やかでいた。
懐かしい感じ…。ふと元彼のことが、頭の中に浮かんできた。
でも、今は大樹さんとの買い物を楽しもう。

静香「とりあえず、どこに行きますか?」

大樹「そうだね、服見に行こうか。」

静香「大樹さんのおすすめの洋服店ってあるんですか?」

大樹「あるよ!でも静香さんにはまだ教えないよ(笑)」

静香「えぇ~大樹さんの意地悪~。」

店に行くまでの道のりは、私の中では凄く幸せな時間だった。
一緒にいて、こんなにも楽しい気分になれたのは、初めてだ。
最初は、元彼と重なって見えていたものが、いつの間にか大樹さんのことしか
考えれなかった。
< 4 / 43 >

この作品をシェア

pagetop