悪魔ニ花束ヲ

「意外性が飛び抜けてます。可愛いというか、なんなんですかね」

堪えきれずに、フフと笑ってしまったあたしに、

「可愛いのは君だ、ぶす」

さらりと、何故か口元に笑みを添えて灰原が返した言葉に、動揺が広がる。

可愛い、という聞き慣れない形容詞を軽い気持ちで受け止めるべきか、ぶす、という馴染んだ単語を消化すべきなのか、判断出来なくて首を捻った。この人は全く、理解出来ない。

そんなあたしに構わず、ぽつぽつと緩い雨の落ちる中、灰原はあたしの手を引いてスタスタと歩き出した。いや、その前に、

「あの、手」

「なに?」

「離してください」

「無理」

「え?」

「こーでもしないと君ついてこないし」

いや、そんな事、



「それに手、繋ぎたいから」



無愛想な口調に反比例して熱くなる繋いだ手の温度が居心地悪くて、もう、本当、心臓に悪い魔王レベル。

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