悪魔ニ花束ヲ
余計な感情に揺さぶられそうになった時、気付けば灰原があたしを見つめていた。
透明で綺麗な瞳にこの男の本性が悪魔な事を一瞬忘れそうになる。



「……約束、ねぇ」




ぞくりとする位、低い声だった。
僅かに上がった眉。男らしさの中に言い表せない色気を含んだ口元が動く。




「言え」




はい?



「なんの約束?」



なんて男だ。嫌だ、絶対言いたくない。あのファンタジーで癒される温かな空間を何故この悪魔にわざわざ申し上げなくちゃならないのか、


「言うよね?」



灰原はグイッとあたしの髪の毛を引っ張った。


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