悪魔ニ花束ヲ

灰原が眉を曲げる。初めから聞けば良かった、と小さく呟いて溜息をはくと無言でスタスタと歩き出した。


「うへ?」


帰宅ですか?いやいやあたしの鞄は置いて帰ってください。その中には週末徹夜して読み耽る筈のサスペンスシリーズ最新作が入っているのだよ!


慌ててその背中を追いかけるけれど迷いなく進む灰原の足にはちっとも追いつかない。だから、足の長さを考慮しろ。

ええい、と走り出した時、急に止まった灰原の背中にボスッと顔から激突して元々高くない鼻が益々縮まりそうになった。
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