強引男子のイジワルで甘い独占欲
「聞いてたならなんでわざわざ私に聞くの。眞木の見てた通り、朋絵との事があって、なんとなく気落ちしてるだけ」
「なんでって、おまえの口から聞かなきゃ意味ないだろ」
は?と、何が違うのって感じに聞き返すと、当たり前の顔で返される。
「おまえがまたひとりで溜め込んでる気がしたから話せって意味。愚痴でもなんでもいいからおまえが吐き出したモンを聞きたかっただけ。
大体、事実が知りたいだけなら、見てたんだしそれで十分だろ」
説明されて、やっと眞木の真意が分かって……ぐっと喉の奥が詰まる思いがした。
眞木が決して興味本位ではなく、優しさから聞いてくれている事が痛いほど伝わってきたから。
こういうストレートなところは素直にいいなぁと思うし、心配してくれるのはありがたくもあるのだけど……。
「やめてよ、また泣かす気?」
9割がた席の埋まっていた館内だったけど、もうそのうちの半分は空席に変わっている。
まだ暗くはあるけれど、席を立つ人で周りがざわざわとし出していた。
今溜まっているモノを吐き出したりしたらきっと、この間みたいにボロボロみっともなく泣いてしまうのは確実だ。
だからわざと睨むような目つきで見上げたけれど、眞木はそんな私にひるむでもなく笑う。