強引男子のイジワルで甘い独占欲


「え、潔癖症なんでしょ?!」
「こないだ佐野は大丈夫だって言っただろ」
「髪触るのとじゃ訳が違う……っ」

私自身、間接キスだとかをそこまで気にするわけじゃないからそれは別にいいけれど、場所がマズイ……。
ここは会社内の一室の休憩室なんだから。

そう思って今まで忘れていた、空気になりつつあった他の社員の様子を盗み見してみたけれど。
各々机に突っ伏して寝ていたり携帯をいじっていたりで興味のかけらもこちらに向いてはいなかった。

女性社員はいなく、割と年配気味の男性社員のみだから眞木にも興味を持たずにいてくれたのかもしれない。

よかったと胸を撫で下ろしながらじゃあまぁいいか……とも思いかけて……でも、諦めがつかずにもう一度返してと要求する。
だってこのメロンパンは普通のじゃなくて――。

「このメロンパンうまいよな。
決まった時期にしか出ないし、いつも売り切れてるし」
「え、知ってたの?」
「去年だかに初めて食べてうまかったから、パッケージ見てすぐ分かった」

私が食べていたのは、季節限定で発売されるレモンクリーム入りメロンパンで、眞木の言うようにレアアイテムだ。
私だって今日朝立ち寄ったコンビニでたまたま見つけてホクホクした気持ちでお昼を待ち遠しく待っていたっていうのに、奪われたレアアイテムが眞木によってどんどん消費されていく。



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