【完】こいつ、俺のだから。
……ななな、なんで!?
――ガチャッ!
「おいテメー!なに勝手に閉めてんだよ」
「うわっ!」
向こうから無理やりドアが開けられて、ドアノブを持ってたままのあたしは前のめりになる。
そんなあたしを片方の手で支えたのは、ドアを開けた張本人の佐野だった。
「まだ俺が入ってねぇだろうが」
「なんで佐野が……!?」
「邪魔するぞ」
「え!?ちょちょ、ちょっと待って!」
靴を脱いで、ズカズカと家の中に入って行く佐野を必死に止める。
「なんだよ?」
「勝手に入らないでよ!」
「邪魔するぞって言っただろ」
「邪魔するんなら帰ってよ!」
「はいわかりました〜!って言うかボケ!
俺はわざわざお前の見舞いに来てやったんだよ!」
お、おぉ……調子いいな。って違う違う。
まじで? 佐野が見舞い?