【完】こいつ、俺のだから。
って、あたしなに考えてんの?
佐野が自分を見てくれないからって、食べ物で気を引くとか。
ないない。
なんでそんなことになった。
……なんで?
佐野には、あたしを見て欲しい……?
……独占欲ってやつですか?
「……」
ブンブンと首を振り、邪念をはらう。
そんなワケない。そんなはずない。
そう思い込みながら、ズカズカと歩きまくった。
――ポンッ。
誰かに肩を叩かれ振り返る。
そこには知らない男がふたりいた。
「ねぇ君ひとりー?」
「制服着てるってことは学校サボりだよね?」
……うそ。
知らない間にあたしの足は、ドーナツ屋さんの方へ向かってたみたいで、佐野と離れてしまった。
無意識こわっ。
ていうか、チャラ男無理!