【完】こいつ、俺のだから。




「離せよ!なに軽々しくこいつに触ってんだ!」



「ははっ。わりーわりー」




笑いながら、優しい手つきであたしの手を離した楢崎。




あたしは目の前にいる佐野を見つめる。



……聞かなきゃ、昨日のこと。




だけど佐野はあたしと目が合うと、一瞬動揺したように目を見開いて、すぐに逸らした。




「あっ。そ、そうだ俺、呼ばれてたんだ〜」




……イラっ。




「待て」



後頭部で手を組み、気まずそうに棒読みで嘘をついて歩き出そうとする佐野を呼び止めた。



クルリ、青ざめた佐野が振り返る。




「おい佐野。テメーちょっとその無駄に整ったツラ貸せや」




「……………………はい」




ちょいとヤンキー風に言ってみると、佐野はおとなしくうなずいた。




楢崎はポカンとしていたけど、文化祭始まる前には帰ってこいよーとだけ言って、あたしたちをそのまま見送ってくれた。



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