あなたまでの距離
余りにも、真っ直ぐな言葉だったから、そこで何て言っていいか、わからなくなる。


「…本当に…、そう、言ってくれたんですか?」


微かに震えている、私の手を取り、優しく微笑む。


「うん。嘘を付けなかった。
俺は夫として、失格だね。

でも、沙耶のこと、どうしようもなく愛してるんだ。」


真っ直ぐに私を見つめながら、彼は言ってくれた。




目頭がじんわり熱くなってくる。



涙を見られたくなくて、高木さんに抱きついて、胸に顔を埋めた。



「ごめん、沙耶。困るよね。」

優しい手が私の頭を撫でる。



黙って首を横に振る。



「…嬉しい…」



これが、本音。



でも、苦しい。



これも、本音。


こんな告白されたのに、別れるしか考えられない。


別れたくない…。離れたくない…。




不倫なんて、本当に自分勝手な恋愛だ。





でも、どうしようもなく、愛しい。





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