あなたまでの距離
次の日、会社で課長の平沢さんに喫煙所に呼ばれた。

この人は、私の師匠で、父親代わりのようなひと。

「何ですか?平沢さん」

ヘビースモーカーの彼は、既に1本目を吸い終わろうとしていた。

「おう、まぁ、1本吸えよ」

そう促され、とりあえず、煙草に火をつけた。


「長期出張のやつ、お前行け」

思わず、吹き出した。

「ここで、内示ですか」

「おう。行くよな?」

「……はい」

2本目のに火を付けた平沢さんが、歯切れの悪い返事をした私の様子をじっと見ていた。


「牧野、ついでに決着つけろ」

ギクッとなる。

「…何にですか?」

しらを切ってみる。

「高木の事だよ」


やっぱり、バレてたか…。

この人には、悔しい位に性格を読まれてて、隠し事が出来ない…。



溜め息と一緒に煙を吐き出す。




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