ヘタレ王子と子猫


「いや〜ん誠く〜ん」

「大野先輩今日も美しいわあ」

なにやら騒がしい

黄色い声の集団が近づいてきた


「君はこの紫陽花に負けないくらい美しいよ」

「きゅーん」

その中心にいる気持ち悪いオーラを放った男の言葉で女の子が一人倒れてしまった


「な、なんじゃあいつ!?」

堂々と女の大群を連れながら歩く気持ち悪い男

片手に鏡を持ちながら何度も髪を整えて鏡に己の美しさを問いかけてる
あの気持ち悪い男はなんなんだ


「ああ、隣の学園の大野先輩よ。有名じゃない。知らないの?」


「そんな奴がいたのか。知らなかった…つうか気持ち悪いな」


「え〜あのナルシストさえなければ、かっこいいよ〜。それに学園トップの秀才で大企業の社長御子息よ!確かに関係持ちたいわぁ〜」


「へぇ」

なんだそういうことね

芸能人でもいると思ったわ

ああいう住む世界が違う奴とは関わらない方が一番平和なんだよ


まあ私たちは必然的にこうなってしまうんだけれども。



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