リトライ。



「なに、その意味深な笑いは〜!」

「ううん。ただね……付き合ってもらえるだけで、良かった彼がわざわざそう言いに来たんだなって」

「どういうこと?」

「そこまでは教えない〜自分で考えてごらん」

泉ちゃんは嬉しそうに笑うと、スキップして先に歩き出した。


「あっ、ちょっと待ってよ……!」


わざわざそう言いに来た。

それがお節介ってことじゃないの?


放課後ーー。


私は泉ちゃんと別れると、靴を履いて外に出た。

校門とは逆の向かいにある体育館を見つめる。

今日は部活やってるのかな、なんて考えていた時。


「やっぱ気になるんじゃん」


私のすぐ後ろから声が聞こえて来た。

慌てて振り返ってみてみると、ボールを持った彼が私の後ろにいる。


……え!?


「よお、さっきぶり」


部活着に外用のバスケットボールを片手で抱えている彼。




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