メガネの私は好きですか?
私の顔も然りだろう。
会いたくないって願ったのに、ついてない。
振り返ると予想通り爽やかな笑みを浮かべている有馬がいて、私と目が合うと口を開いた。
「ねえ、ちょっとこっち来て。」
それは囁くような甘い声。
そんなの私には、通用しないのに。
「嫌、」
私がキッと睨むように見ると、有馬は私の耳元に顔を近づけた。
「言うこと聞いてくれないと、この場でメガネ外しちゃうよ?」
「………っ、」
ただでさえ、この男は目立つのだ。
そんな行動をされては困る。