昭和りびんぐでっど
「おいおい、どうしたんだ。何集まってるんだ」

「あっ先生!」

女子生徒の多くは涙を流しながら泣いている。

「せ・・せんせい・・、見て・・これ」

1人の女子生徒が指差した方には死体が転がっていた、服装からして陸軍人だろうか・・。

「な・・なんでここに・・」

「なんだ、なんの騒ぎだ?」

騒ぎを聞きつけ、教頭先生がやってきた。

「あっ、教頭先生・・」

子どもらをかき分け、軍人の死体が教頭先生の目に留まった。

「・・・・・、さぁ君たちは帰りなさい・・。ここは先生たちに任せて―」

と子供たちを帰らせて、私と教頭は校舎の裏側に残った。

「教頭先生・・これ・・」

「・・・あぁ、間違いない。陸軍のやつだ」

教頭が言うからには間違えないだろ・・。

「こりゃぁ、近衛第1師団のやつだな・・」

「近衛師団?」

近衛師団とは最精鋭かつ最古参の部隊組織として天皇と皇居を警衛する部隊らしい。

「まぁ、海軍へいえば小艦隊とか任務軍みたいなものだな」

なるほど・・、けどなんで死体がここに落ちているのかが気になる・・。

「・・・もしかして―」

「何か知っているのか?」

「いや噂なんですけど、ホラ真夜中にしか開店しない古本屋・・」

あぁ、あの噂の。でも何か関係があるのか?と教頭は不思議そうに私を見た。

「近所の少年が言ってたのですが、あそこは死人が集まると言ってたのを聞いたことありますがー。それに関係があるんじゃないかとー」

実は私もそんなにその噂を真に受けてなかった、どうせ子どもたちが作った噂なんだろう・・と考えていた。

「ともあれ、この死体は防衛省に行って聞いてみるよ」

よろしくお願いしますと私は頭を下げ校舎に戻った。
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