ラベンダーと星空の約束+α
布団を畳んで着替えをしている間、紫龍も自分の部屋に戻って朝の支度を始めていた。
一日の始まりは、いつだって慌ただしい。
階段を下りている途中、紫龍が2階から私を見下ろし、こんな事を言った。
「母さん、余計なお世話かも知んないけど、父さんに少しは優しくしてやんなよ。
いくら父さんが寛大だからって、『流星流星』言ってたら、そりゃヤキモチ焼くよ」
「………」
「あ、やっぱ余計な事だった?
怒った?」
「違うよ。紫龍はやっぱり流星の子。改めてそう思った。
今朝の夢で流星にも言われたんだ。
『大樹にもう少し優しくしな』って…
同じ顔で同じ事言われた。
フフッ…何かおかしいね。
二人からの注意事項、胸に留めておく。
守れる自信はないけど。
紫龍、彩香と風香起こしてあげてね」
トントンと階段を下りながら思う。
流星が白紙にしておいた私の物語のページに、今朝の素敵な出来事を書き込もうと。
次に夢に逢いに来てくれたら、聞かせてあげるんだ。
次はいつ逢えるかな…
楽しみにしてるよ…
流星……
[夢で逢えたら…−終−]