僕と君の365日
「急に、何かあるの?」
「あー。桃琉のことで。」
「でしょうね。そうだと思ったわ。」
俺も察しはついてるだろうと思ってた。
「桃琉は.....一年しか生きられないのか?」
「ええ。でも一年以内よ。このまま弱まれば一年。早くなれば明日、死ぬかもしれない。」
「はっ?」
明日?明日、桃琉が死ぬかもしれない...?
「桃琉には明確な時間がない。だから変に急ぐの。わからないでしょ。自分がいついなくなるかわからない不安。」
とても止められるものじゃないんだろう。
「桃琉は昔から明るくて和の中心にいたわ。正義感が強くて守ってくれた。.......あのときも。」
「あのとき?」
「え、あ。なんでも、ないわ。」
あのとき.......なんで隠そうとするんだ?
美琴は窓の外を見る。改めて綺麗だな、と思う。胸の下ぐらいまでの真っ直ぐな黒髪に二重で大きな目日本人離れした高い鼻なのに大和撫子という表現があう。
桃琉とは全然違う。でも美琴にはときめかない。