僕と君の365日
「桃琉!」
美琴がそのまま入る。
「あ、姫宮さん。どーも。」
早乙女先輩はニコニコしながら答える。
「ごめんね。榑井さん借りちゃって。」
「なんで....なんで今、言う必要があったの。」
「だって探し続けてたから。」
美琴は困った顔をする。
「桃琉....」
「ごめん、ちょっと頭がこんがらがってて....」
「じゃ、俺たちはこれで。行こう、柊也(シュウヤ)。」
しゅう、や?桃琉の記憶に残ってた.....もしかして...血の繋がった誰かかもしれない。
「私もちょっと整理、してくる。」
三人は出ていった。俺たちは黙ったままだった。
「早乙女先輩と一緒にいたの九瀬(クゼ)柊也。桃琉の兄にあたるわ。半分、血の繋がった、ね。」
半分....
「桃琉の父はある女と浮気をした。そのとき桃琉ができて始めは浮気相手が桃琉を育てていたんだけど金をやるからという理由で桃琉は父のところへいった。」
「はっ.....桃琉は金がなかったら引き取らなかったって言うのかよ.....!」
「世の中、そういうものなのよ。父と母が離婚したときに桃琉は母の方にいった。母は血が繋がってないのに育てる意味はない、と桃琉を孤児院に入れた。桃琉はそこで育ったの。」
「ちなみに父親の浮気相手は誰やねん。」
ある女というぐらいだからわかっているのだろう。
「わかっているけど....あなたたちには伝えられない。それは桃琉同じだと思うわ。」
なんでだ。いや、何か、あるんだ。
「桃琉、探してくる。」
俺はとりあえず走り出した。