陽。
「ハァ…着いた」
彼を降ろし、電気を付ける。
彼の顔は青白く血塗れだった
死んでる…?
いや、何度も息をしてるか確かめた。
っ…血拭かなきゃ。
必死に血を拭いて
汚い服を脱がした。
「…これ…痣」
彼の身体は痣だらけだった。
それにいくつかのタトゥーが入っていた。
…なにこれ
私は急いで自分のスエットを着せベッドに寝かせた。
自分がやってることが正常じゃないことくらいわかってる
でも、彼を、彼を助けなくちゃ、守らなくちゃって強く思った
正直つまらない人生だから、これくらいの衝撃があってもいいんじゃないかって、そう思った
改めて彼を見つめてみる
やっぱり綺麗
本当に綺麗
お人形さんみたい…
人間離れした華奢な身体と綺麗な顔立ち
私は完全に心を奪われた。
そして彼を誰にも渡したくない。
見せたくない。
独占したい。
見ず知らずの彼にここまで思った。
ああ、本当に私、正常じゃない。
だけど、今の彼には私しか居ない
それだけは事実だ。