ソープの仕事はヘルスよりも過酷だった。
特に私が入店した店は、高級と言うだけあって、お客から取る金額も安くないので、それなりのサービスを求められた。
完全に、お客をお殿様扱いのように、もてなし、指の先から足の先まで丁寧に洗うことから始まり、ヘルスとは違い広い部屋に、風呂場も一緒についているのだから、室内の湿気と1日に数回の入浴で、体が茹り、おかしくなりそうだった。

椅子プレイ、マットプレイと言ったソープならではの特殊なサービスも全て講習で覚えさせられ、お客からのアンケートが悪いと帰り際に、どこがいけなかったか・・と店長に、こんこんと語られる。。

しかし、1日にわずか3人程度の接客で13万くらいは持ち帰る事ができたので、私は、週に一度、ソープに出勤すると、その稼いだ、お金を、翌日すぐに金融屋に支払った。

何故なら、そうでもしないと、高い利息で借りた金額が増していく一方だからである。

でも、週に1度の返済があるせいか、金融屋がいたずらで店に電話をかけてきたりと言った行為は、まったく無くなった。

これだけが、救いだった。
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