RIDORU ~魔法使いの少女~
…はあ…?


リドルと名乗るその少女はまるで
“外なんて初めて!”
みたいな顔をして市場を見つめた。


「これが、
外の世界…!!」

「?
何だ?お前外初めてなのか?」

普通に過ごしていれば有り得ない事だが
リドルはあまりに目を見開くので
試しに聞いてみることにした。


「そうよ。
生まれてからこの部屋から出たことないの」

「ーッ」

まさかの返事に俺は思わず背筋が伸びた。


…まあ、よく考えればそこまで可笑しい事ではないかもしれない。


俺はスラム街で育ち、ずっとゴミだまりみたいなところで国に隔離されていた。

ちょっと違うけどあんまり変わらねえかもな。


「私も旅をしたいわ!」


…ん?


「は?
いきなり何言っ…」

「だーから!
私も連れてけって言ってんの!」

わ…我が儘…!
というか唐突すぎだろ。

俺はよく考える。
 


…のにはもう疲れたので

「いいぜ!」

そう頷いた。

「!」

また嬉しそうに笑うリドル。

まあ良いか。

旅に出会いは付き物だしなー。
 

「リドル!?」




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