僕等のヒカリ〜ひまわりの小さなキセキ〜



「2ヶ月間の撮影お疲れ。」



「ありがとう……」




まさか、父親がそんなことを言うとは思わなかったから、ちょっと驚いた。




「失礼します、お待たせしました。社長を連れて参りました。」




慌てて立ち上がって、社長に挨拶をした。



後から分かったことなのだが、面接のとき俺をガン見していたおじさんが社長だった。



社長はソファに座り、渡部さんはお茶の準備をしていた。




「向井くん、お父さん、この度はご愁傷様でした。」



「そして、向井くん、クランクアップおめでとう。」



「ありがとうございます。」



「本当によく頑張ったね。」



「いえ、父と渡部さんの支えがあったから、頑張れました。」




父親と渡部さんがいなかったら、途中で放り投げて芸能界辞めていただろう……




< 106 / 193 >

この作品をシェア

pagetop