僕等のヒカリ〜ひまわりの小さなキセキ〜
「2ヶ月間の撮影お疲れ。」
「ありがとう……」
まさか、父親がそんなことを言うとは思わなかったから、ちょっと驚いた。
「失礼します、お待たせしました。社長を連れて参りました。」
慌てて立ち上がって、社長に挨拶をした。
後から分かったことなのだが、面接のとき俺をガン見していたおじさんが社長だった。
社長はソファに座り、渡部さんはお茶の準備をしていた。
「向井くん、お父さん、この度はご愁傷様でした。」
「そして、向井くん、クランクアップおめでとう。」
「ありがとうございます。」
「本当によく頑張ったね。」
「いえ、父と渡部さんの支えがあったから、頑張れました。」
父親と渡部さんがいなかったら、途中で放り投げて芸能界辞めていただろう……