僕等のヒカリ〜ひまわりの小さなキセキ〜
父親と渡部さんには、本当に感謝している。
「そうかそうか。なぁ、向井くん一つ提案があるのだが……」
「提案、ですか……?」
「映画の撮影も終わったことだし、少し仕事をセーブしないか?」
え………
社長まで父親と同じようなことを言うのかよ……
「僕まだ頑張れますよ⁉︎」
「君はそう思うかもしれないが、多分今までみたいに役に入り込めないと思う。それに、今日まで文句一つ言わずに頑張ってきた。本当は学校の友達と同じような生活をしたいんじゃないのか?」
確かに事務所が断った仕事以外は文句一つ言わず全てやってきた。
学校を休む日が多くなって、遊べる日も少なくなった。
クラスのみんなが羨ましかった。
勉強して、給食を食べて、友達と暗くなるまで遊んで……そんな日々を過ごしてみたかった。
でも、今はそんな気持ちはない。
俺は俺なりにすごく充実しているから。