僕等のヒカリ〜ひまわりの小さなキセキ〜



父親と渡部さんには、本当に感謝している。




「そうかそうか。なぁ、向井くん一つ提案があるのだが……」



「提案、ですか……?」



「映画の撮影も終わったことだし、少し仕事をセーブしないか?」




え………



社長まで父親と同じようなことを言うのかよ……




「僕まだ頑張れますよ⁉︎」



「君はそう思うかもしれないが、多分今までみたいに役に入り込めないと思う。それに、今日まで文句一つ言わずに頑張ってきた。本当は学校の友達と同じような生活をしたいんじゃないのか?」




確かに事務所が断った仕事以外は文句一つ言わず全てやってきた。



学校を休む日が多くなって、遊べる日も少なくなった。



クラスのみんなが羨ましかった。



勉強して、給食を食べて、友達と暗くなるまで遊んで……そんな日々を過ごしてみたかった。



でも、今はそんな気持ちはない。



俺は俺なりにすごく充実しているから。






< 107 / 193 >

この作品をシェア

pagetop