僕等のヒカリ〜ひまわりの小さなキセキ〜
学校が終わった帰り道、昼休みに来た子の言葉を思い出した。
『兄が、2人組の女の子をナンパしたの。その、女の子の1人が奈緒だったの。私の兄3つ上で、私も兄も奈緒と小学校からいっしょだったの。だから、奈緒久しぶりだな〜‼︎って言ったら、怪訝そうな顔をしたって。
そして、1番気になったのが奈緒って感情が分かりやすくて、純粋なところが長所だったのに、今の奈緒楽しそうな顔をしていても、全然楽しくなさそうで、純粋じゃなかったって兄が言ってたの……。
向井くん、奈緒のこと何か知っているの……?奈緒大丈夫なの……?』
この子を巻き込んではいけないと思い、詳しく言わなかった。
俺思うんだ……
いきなり自分じゃない自分が現れて
自分じゃない自分を誰も理解してくれなくて
すごく苦しんでいるんじゃないかって
どうすれば、奈緒を救えるんだ……?
気がつくと、奈緒のマンションに着き、奈緒の家の前まで歩いた。
インターフォンを押そうとすると、
ーーガシャーンッ
「遥希です‼︎おばさん、どうしたの⁉︎」
ドアをドンドンと叩いて応答するも、返事はなかった。
ドアノブに手をかけると、ドアが開いた。