僕等のヒカリ〜ひまわりの小さなキセキ〜



「じゃあ、戻してくるね……」




友達とお別れするような目でそう言ってきたひかり。



くっそー……、俺が悪者みたいじゃねぇーかよ……




「分かったよ、お父さんと分けて食べるんだよ。」



「ほんとに⁉︎はるくん、ありがとう‼︎」




くっそー、父親のこと言えねぇじゃねぇーか……



でも、ひかりの幸せそうな顔を見ていると、そんなことどうでもいいと思った。



お会計をして、ひかりと仲良く家に帰った。




「ただいま〜」



「おかえり、さきいか買って来たか?」




は?




「ばっちり‼︎おっちゃんの言うとおりにしたら、はるくん買ってくれた‼︎」



「おいおい、ちょっと待て。」



「「ん?」」



「ひかりがさきいかを食べるんじゃなくて……」



「そう‼︎俺が食べるためにひかりに頼んだ。」




イェイ‼︎とハイタッチしている父親とひかり。



俺ひかりの演技に騙されたのかよ……



みなさん忘れていると思うけど、俺元天才子役だったんだぜ?



屈辱以外の何物でもない……





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