【新】俺様社長の溺愛
「一緒にいられるだけで、十分デートになるから」

そう言って明るい笑顔を見せると、私は秀人の手を掴んだまま、

また歩き出した。


「・・・愛海の家がいい」

珍しく、いや、初めて聞く秀人の我が儘。

「自分の家がいいんじゃない?

私の家じゃ、疲れがとれないよ?」

秀人を見上げると、

首を振って嫌だと言った。


・・・秀人の新たな性格を発見して、嬉しさと可笑しさで、

クスクスと笑ってしまった。


「何が可笑しい?」

「ううん、別に」

私はそうごまかして、自分の家に向かった。

大した料理は出来ないけれど、ごくごく普通の料理を作り、

2人で食べた。


午後は、2人でまったりと過ごす。

私は、ソファーに座って雑誌を見る。

秀人は私の膝を枕に、スヤスヤと寝息を立てている。


これはこれで、私は好きな時間だった。
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