【新】俺様社長の溺愛
それからしばらくしてようやく涙は止まった。

そして我に返り、今の状況を悟る。

…私は、安西課長にしがみ付いていたのだ。

慌ててそれから離れる。


「・・・気はすんだか?」

「…はい、すみません、しがみついた上に、

課長のスーツが汚れてしまって…」

私が顔を付けていた胸元は、うっすらと化粧がついていた。

それを取ろうと、ハンカチで、優しく拭く。

…ビクッ。


その手を、安西課長がそっとつかんだ。

「・・・あの」

「秀人の事は諦めろ」

「・・・」


・・・・そんなに簡単に言わないでほしい。

この想いは、そう簡単に諦められない。

それが出来そうにないから、こんなに苦しんでいるのに。


「…オレがいる」

「・・・」


「前に言ったよな?…綾瀬が好きだって。

今も気持ちは変わっていない・・・

アイツの身代わりだと思ってくれてもいい・・・

綾瀬を守らせてくれ」
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