ズボラ女子が恋をした場合。
「んー…、なんだかんだ、すずと行くんじゃないかなぁ。
どうせあいつ、他に行く人いないだろうから」
きっと、毎年のように、遥斗花火大会行こうーって、言ってくるんだろうな。
そしたらまた、あいつの好きなリンゴ飴でも買ってやろうかな。
「あのさ遥斗」
「ん?」
拓哉は難しそうな顔して、
「お前、いいの?」
そう問いかけてきた。
「え、何言ってんの?」
「そうやって、いつまでも清谷が自分のそばにいるって、思わない方がいいぞ」
拓哉はそう言って、クラスの女子と下校してるのすずの方を見た。
すずはクラスの女子と楽しそうに何かを話してた。
「なにそれ、どういう意味?」
「お前は本当に鈍感野郎だな。たらたらしてると、他の男に取られるぞ」
拓哉は深いため息をついた。
「清谷、あいつはお前が思ってるよりずっと、人気あるぞ」
拓哉が何言いたいのか、俺にはさっぱり分かんなかった。