ズボラ女子が恋をした場合。
「ふぅー、食べた食べた。お腹いっぱいだー」
「今日もおいしかったね、ご馳走様でした」
終業式が終わり、明日から夏休みが始まる。
「茉莉ちゃんは夏休み、もう予定入れた?」
学校帰り、茉莉ちゃんとラーメンを食べに来た。
私の想像では、
キラキラ女子はもう夏休み一週間前には予定ばっちり入れて、毎日遊んで、キラキラとした可愛い写真を撮ってからのSNSにあげるという、忙しい毎日が待っている。
と思いきや、
「えっと…、実は特に、これといった予定がなくて…」
恥ずかしそうに茉莉ちゃんはそう言う。
「えっ、失礼かもしれないけど、茉莉ちゃんはなんていうか、男子からお誘いを沢山受けて、忙しい毎日を過ごすことになるかと…」
だって今日の帰りも、茉莉ちゃん男子たちからなかなか解放されなかったし…。
「うん…、お誘いをしてくれるのはとってもありがたいのですが…、私…」
一つ深呼吸をして、
「私、少女漫画の王子様にしか興味がないの!!!」
力強くそう言って、私を見つめる茉莉ちゃん。