彼の腕の中で  甘えたくて
「主任がいけないんですよ。」

「どうして?」

「いつものスーツじゃなくて、私服で来るから。」

「ここは会社じゃないのよ。少しくらいリラックスしてもいいでしょう?」

「ダメだよ、僕の前では、特にね。」

「じゃあ、一体どうすればよかったかしら?」

「もう遅いよ。主任に責任を取ってもらう。」

「責任って何?」

「とにかくここを出よう。」

彼は私の腕をとって、会計で領収書をもらい、半ば強引に私をエレベーターに乗せた。

いきなりキスされた。

「主任、バニラの味、濃いね。」

私の方が酔っていた。

ワインを何杯飲んだか思い出せなかった。

少しクラクラして振らついてしまった。

「主任、感じた?」

「だ、だめよ。」彼はキス上手?

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