彼の腕の中で  甘えたくて
「由衣さん、今付き合ってる人いる?」

「いないけど。」

「じゃ、俺と付き合ってほしい。」

「そんなこと、急に言われても困っちゃう。なんて返事したらいいのか。」

「返事はイエスかノーだよ。」

「そうだけど、すぐ返事ができないことってあるでしょ?」

「じゃ、考えてくれるってこと?」

「う、うん。」

「いつ返事をくれる?」

コンコン、と音がしてドアが開いた。

「失礼します。デザートをお持ちしました。」先ほどのクラークがまた来た。

デザートまでつくとは、ここの人間ドックはすごいわ。

抹茶アイスだった。

私の返事はそのアイスに救われた。

「味が濃くて美味しい。」私はアイスを食べて幸せそうな顔をした。

「由衣さん、アイスでそんなに幸せ感じないでよ。俺の気持ち、本気だから。よく考えて返事して。」

「わ、わかったわ。後でメアドを教えて。」

「いいよ。由衣さんのも俺に教えてくれる?」

「うん。」

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