捨て猫にパン
だって。
“好き”をくれた倉持さんの恋は、やっぱり一時の感情かもしれない。
『捨て猫は飼えない』って。
一晩で返されちゃうダンボール箱に、お情けのパン。
そんな不確かな恋に、あたしは走れない。
慣れない人の手の中で震える猫にはなれないよ…。
───ピンポーン
玄関のチャイムに、あたしは笑って陣に、
「おかえりなさい」
って、言う。
「ただいま」
って、陣はキスをくれる。
これでいい。
委ねた未来は、間違いじゃない。
“好き”をくれた倉持さんの恋は、やっぱり一時の感情かもしれない。
『捨て猫は飼えない』って。
一晩で返されちゃうダンボール箱に、お情けのパン。
そんな不確かな恋に、あたしは走れない。
慣れない人の手の中で震える猫にはなれないよ…。
───ピンポーン
玄関のチャイムに、あたしは笑って陣に、
「おかえりなさい」
って、言う。
「ただいま」
って、陣はキスをくれる。
これでいい。
委ねた未来は、間違いじゃない。