捨て猫にパン
「「「お疲れ様でしたーっ!!」」」


カンパーイ!!


───カチンッ


高く上がったグラスをぶつけ合って、飲み会スタート。


うちのチーム5人でプランニングした旅行企画が通った、ということで、第一関門突破の小打ち上げ会。


陣主任、メイ先輩、明石くんと関口先輩、あたし。


「まだまだこれからホテルの手配、オプショナルツアー、料金設定の詰めなんかがあるけど、みんな気合い入れて最終決定まで頼むな」


陣主任の言葉に4人ともいい返事で次々とビールを空けていく。


あたしはチビチビカシスオレンジに口をつけながら、チーズギョウザばかり食べて。


どうにか電車に間に合って、倉持さんに電話…って。


そればかりを考えていた。


居酒屋の店内は賑やかで、時々メンバーの会話も耳に入らないほど。


陣主任とメイ先輩があたしを見ながら何やら話してるけど、また倉持さんの話になっちゃうとイヤだから、唯一、年下の明石くんを関口先輩と2人でからかってみたりした。


陣主任の仕切る飲み会は楽しい。


変な酔い方をする人もいないし、無理にお酒を押しつけられたりもしないし。


みんな上手に酔って、ついつい長居しちゃう。
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