捨て猫にパン
「帰り、電車なくなっちゃいますよ?」


「何かあって真琴の親に泣かれるより、いい」


「では、お言葉に甘えて」


「それでヨシ」


並んで席に座ると、電車の揺れとお酒と、今朝の慣れない早起きのせいで睡魔が襲ってくる。


「寝ろよ。着いたら起こすから」


遠くに聞こえた主任の声に、あたしは無遠慮に目をつむった。


───………。
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