LAST SMILE



祐兎が痛みに耐えるような息遣いが聞こえる。


ダメだ。


こんなところにいちゃ、だめなんだ。



早く、早く病院に戻らないと・・・。







ピリリリー


祐兎の携帯がなっている。


たぶん、亜貴たちが心配でかけてきてるんだ。



「祐兎、電話・・・
 亜貴かもしれないよ?」


祐兎は電話に出ようとせず、
ぎゅっとあたしを抱きしめる。



着信音が響く。


あたしは自分のケータイをだして、
亜貴に電話をかけた。





((麗華!?お前今どこにいるんだよ!?))




「ごめん。今、祐兎と一緒にいるの」




((場所は!?
  あいつ俺らになんもいわねぇで・・・))




「お願い。祐兎、苦しそうなの。
 すぐに来て。場所は―」




ツー、ツー―






「なんで・・・」




祐兎が、
体を離してあたしの電話を切った。



場所を知らせる前に、
切られてしまった。





「どうして?祐兎、
 どうしてそんな・・・」




祐兎のことを心配してあたしは・・・。




あたしのケータイを取り上げた祐兎は
顔を歪めてあたしを見た。




「祐兎!戻ろう?
 話したいことがあるならあたし、聞くから。
 ずっと傍にいるから。だから戻ろう?」





「・・・・ここでいい」



「よくない!!お願い。
 いう事を聞いて・・・・」




祐兎にしがみついて叫ぶあたし。











泣きたくて。










どうしようもなく泣きたくて。










だけど、祐兎に泣き顔は見せられなくて









必死に俯いて涙を隠したあたし。






祐兎はそれに気付いたのか、
静かにあたしの顎を持ち上げた。





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