LAST SMILE





「REIだよね?」





委員会の仕事を引き受けた日の帰り、
校門の前で呼び止められた。



顔を見ると、知らない人で、
なんだか雰囲気が少し怖い男の人だった。



制服着てるってことは、学生だよね?



ていうかこの制服・・・。
祐兎と同じ高校の生徒?






「あなた、誰?」


「や。ちょっと
 顔貸してもらいたいんだよねー♪」





は?


あたしは訳のわからないまま、
後ろに一歩ひいた。



その時、






「え・・・!?」


後ろから体を押さえつけられて、
口を塞がれた。




後ろにも誰かいたの!?



目の前の男をにらみつけると、
5、6人の男が揃ってあたしの前に出てきた。





(誰・・・?こいつら一体何がしたいの!?)




「黙って大人しくしてれば、何もしないからさ」







そう言われてしばらく一緒に歩かされる。


ここ、どこだろ・・・。



もう随分歩いたはず。


あたしの歩いたことのない場所まで歩かされた。




人気のない場所・・・。


もうしばらく行くと、
廃屋となった建物の中に、あたしは入っていた。




薄暗く、
日の光が隅からほんの少しだけ、漏れるだけ。




どうしよう。



今何時かな?





みんなとスタジオで待ち合わせなのに。



みんな、心配するかな?



あ、しないかな?




この間みたいに、ゲームでもして、
誰もあたしの到着が遅れるのを不審に思わないよね。



とくにあいつなんかは・・・。





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