LAST SMILE



ここに来て、初めて口の自由を許される。


あたしは大きく呼吸をして落ち着かせた。


上を見上げると、
6人の男があたしを囲んで見下ろしていた。



「ねぇ、あんたたち誰?あたしを知ってるの?」


「そりゃあ、知ってるでしょ。
 ReesのREIでしょ?」


「違ぇよ。Blue skyのREIだって」


「どっちでもいいよ」




男たちが次々にそう言う。


何?
そっち関係であたしにこんなこと?



馬鹿みたい。



「どうしたいの?」


「随分冷静なんだね?
 さすが藤堂奏磨の妹だ」


え・・・?


お兄ちゃんを、知ってる人・・・?



「んで、さすがは持田祐兎の女だね」



祐兎!?


なんであいつが出てくんのよ!?


てか、女って何!?


そんなんじゃないってば!!




「お兄ちゃんとどういう関係なの!?
 あと、あいつの女なんかじゃないですから」



あたしが噛み付くようにそう言うと、
男は鼻で笑った。






「ふーん。俺の顔に本当に見覚えない?」


「ないわよ!!あんたなんか初めて見たし」


「あっそ。俺ら兄弟、
 双子並に顔似てるって言われるんだけどなぁ」





兄弟?


お兄ちゃんを知ってるお兄さんがいるってこと?








「あ・・・・」





まさか・・・。



「やっと気付いた?ウチの兄貴、
 あんたを襲ったってんで、
 藤堂奏磨とぶつかったんだよ」





あれ・・・?


ちょっと待って。



確かあの時の相手の高校生、
逮捕されたって・・・。




「おかげでうちの兄貴、まだ刑務所なんだわ。
 やってくれるよなぁ。
 たかが殴っただけで死ぬようなマヌケに、
 してやられたわ」




マヌケ?



誰がマヌケだって?



たかが殴っただけ?




この人、何言ってんの??






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