Wednesday ☂
朝。いつもより10分遅く起きた私は、
慌ただしく準備を済ませていた。
高校生になってから少し明るくした髪をくるくる巻いていく。
「なあーねえちゃんの、携帯鳴ってる。」
リビングからする声に私は一旦手を止める。
…朝から、誰だろう。
「えー?誰からってー?」
「ひがし…ひがし?…」
中学3年生の弟は私に似て馬鹿なのか、
頼りにならない。
ひがし…?
「あ、ボタン押しちゃった。」
「は!?なにやって「もしもし、安達です。」
「ちょっと!奏汰〔かなた〕!」
『…沙綾?じゃないの?』
スピーカー設定になったせいで、リビングからでも聞こえた声。
「男じゃん!…姉ちゃんの彼氏?」
『ん?まあ…。
姉ちゃんって、…あ。沙綾の弟とかか?』
「そう「奏汰!携帯かして!」
『ぷっ、…もしもし?代わった?』
「っ…ごめん!弟が出ちゃったみたいで…」
『あぁ、いいよ。
あのさー沙綾、お前んちどこ?』
電話を掛けてきたのは、恭一くん。
東って言うからわかんなかった…奏汰の馬鹿、東麻くんも読めないの?
「家?…あ、えーと…たなばた公園って分かる…?
公園のすぐ前なんだけど、」
『おっけ、分かった。
10分後ぐらいに迎えにいくから。』
「えっ、あ…うん?」
『じゃあまた後でな。』
トーク画面に戻る携帯に
私は焦りながらも直ぐに用意を終わらせる。
奏汰の冷やかしに怒りながらも鞄を持つと、
タイミング良くインターホンが鳴った。