マーメイドの恋[完結]
コンビニで買い物を済ませ、コンビニの外に出ると、伊原が夏子のバッグを持ってマンションの前で待っていた。
夏子は、その姿を見てなんとなくウキウキした気分になり、小走りで伊原のところへ戻った。
「夏子、このカバンの中なんがはいっと〜や?家出してきたんか?」
伊原が笑いながらそう言った。
「え〜っ?寝巻き代わりのものとか、お泊りセットがいるやん」
着替えや化粧セットを用意してると、女は荷物が増えるのだ。
「寝巻きやらいらんやろ。どうせ裸になるっちゃけん。今夜は一晩中するとやけんね」
「ちょっと、こんなところでそんなこと言わないでよ」
エントランスからエレベーターまでのところを、歩きながら話していたので、夏子は恥ずかしくなった。
「誰もおらんし、聞かれても別によかろ〜もん」
ーほんとについていけないな、この人にはー