今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
「おとなしく渡せ」

「誰がやるか」

 何とかスマホを奪おうと後ろから手を出したところで、

「おい、おい。みんな、こっち見てる」

 祐太朗の言葉に俺は動きを止めた。

 下を見下ろすと、確かにみんなの視線が……

 女子達の小さなざわめき。
 こっちを好奇的な顔で見られている。

 コホン。
 まずいよな。

「おとなしくしてないと摘まみだされるぞ」

 って、誰のせいだ。

 素直に渡せばいいものを、無駄に反抗しやがるから。

 でも、確かに静かにしてないと、やっぱ、まずいよな。


 陽菜はどう思ったんだろう?

 気になって姿を探す。

 あっ、いた。

 ステージの前。


 けど、こっち見てないよな。

 誰かと話してる。
 大人の女性。もしかして、監督かな?

 こっちを気にしている女子も何人かいるのに、陽菜って俺がいても動じないのか?


 それは、それで、なんかがっくり。
 俺には興味ないのかって。

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