今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
「ほら、チェンジコート」

 祐太朗の声に我に返る。

 陽菜達がコートを出て一礼して、反対側のコートに向かう。それから、もう一度コートに入る前に一礼。

 祐太朗が手を振った。
 それに応えるように萌絵って子が手を振り返す。どちらも嬉しそうな顏をしていた。

 陽菜もつられるようにこちらを見上げてくれた。

 目が合った?

 少し恥ずかしそうな表情で見てくれてるような気がして、それがとてもかわいくて、俺も手を振っていた。

 陽菜はちょっと驚いたような顔をしたけど、小さく手を振ってくれた。


 感激。

 さっきはこちらを見ようともしなかったけど、気づいてくれて手まで振ってくれて。


 幸せだなあ。

 何気ない些細な出来事に喜びを感じて。

 って、思っていたら、後ろから肩をつつかれて、陽菜が振り返ってしまった。


 んっ?

 俺、今睨まれなかったか?

 ほんの一瞬だったけど……


 萌絵って子に。
 まさかね。

 
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