今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
 寛大で温厚な航太を怒らせるなんて、あの時そう思ったけど、今はあれ以上の怒りの矛先が俺に突き刺さっていた。


「俺、言ったよな。陽菜を振り回すなって」

 襟首を掴んだ航太の指に力が籠る。

「……ああ」

 いつか聞いた言葉。

「俺、言ったよな。今が大事な時だって」

「……」

 俺はただ、頷いた。
 聞いた。聞いていた。


「何か問題を起こしたら陽菜には近づけさせない。これ、覚えてるよな?」

 覚えてる。 
 つい最近、言われたことだ。

 これが、今なのか?

 俺は返事が出来なくて、唇を噛みしめた。


「悠斗、どれだけのことをしでかしたのか、分かってんのか? 陽菜の努力をぶち壊しやがって。あと少しなのに、これまで、順調だったのに……分かってるのか?」


 そんなことを言われても。

 航太の睨む目がさらに凄味を増す。射るような目つき。
 
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